バレーボール: 【衝撃の歴史】昔のバレーボールは観るのも体力勝負だった!?人気を爆発させた「1999年の大革命」とは

バレーボール

皆さんは普段、バレーボールの試合を観ることはありますか?

ものすごいスピードで突き刺さる強烈なスパイク、それを執念で拾い上げる奇跡のレシーブ、そして一瞬も目が離せないハイスピードなラリー……。今のバレーボールは、スポーツとしてのテンポが良く、最高にエキサイティングなエンターテインメントです。

しかし、ここで一つ、驚きの事実をお伝えします。

「昔のバレーボールは、観ているだけで息が詰まるほど疲れる、超・過酷なスポーツだった」

バレーボールは、ある「致命的な弱点」を克服するために、スポーツ界でも異例中の異例と言われるほどの「大改造」を行った歴史があるのです。

今回は、バレーボールが絶滅の危機を乗り越え、人気を大爆発させることになった「1999年の大革命」のドラマに迫ります!

1.昔のルールは「地獄の泥沼ゲーム」だった

今のバレーボールは、どちらのチームがラリーに勝っても、必ずどちらかに1点が入るシステムになっています。これを「ラリーポイント制」と言います。

しかし、1999年より前は全く違うルールでした。それが「サイドアウト制」です。

サイドアウト制を超シンプルに説明すると、「サーブを打った側のチームしか、点数を入れる権利がない」というルールでした。

 サーブ権を持っているチームがラリーに勝つ = 1点ゲット!

 サーブ権を持っていないチームがラリーに勝つ = 点数は入らず、「次はウチがサーブを打つ権利(サーブ権)」だけをゲット

つまり、レシーブ側がどんなに素晴らしいスーパープレーで相手のスパイクを拾ってラリーに勝っても、スコアボードは「0」のまま。ただサーブを打つ人が交代するだけだったのです。

このルールで実力が拮抗したチーム同士が戦うと、「ラリーに勝ってサーブ権を奪う ➔ 次のラリーで奪い返される ➔ また奪い返す……」という無限ループに陥ります。お互いに必死でボールを繋いでいるのに、スコアが1ミリも動かない時間が延々と続くのです。

2.【伝説の事件】最初の1点が入るまでに「17分」!?

これを象徴する、1992年のバルセロナオリンピックでの伝説の試合があります。

男子の日本代表と、当時世界トップクラスの実力を誇った強豪チーム(旧ソ連)の対戦です。

試合が始まり、お互いにサーブ権を行ったり来たりさせる激しい攻防が続きました。観客も手に汗握って見守ります。しかし、一向にスコアが動きません。

なんと、試合開始から「最初の1点」がどちらかに入るまでに、17分間もの時間がかかったのです。

今のバレーボールなら、17分もあれば1つのセットが終盤を迎えている時間です。それが、たったの1点。さらに、その第1セットが終わるまでにかかった時間は、なんと54分。

「応援しているだけで、こっちの体力が削られる……」

「お願いだから、頼むからどっちか点を入れてくれ……!」

観客席やお茶の間は、もはや感動を通り越して、息が詰まるほどの疲労感に包まれていました。当時のバレーボールは、まさに「観る側も体力勝負」のスポーツだったのです。

3.テレビ局の悲鳴「放送枠に収まらない!」

この「いつ終わるか分からない」というサイドアウト制の性質は、バレーボール界に深刻な危機をもたらしました。特に悲鳴を上げたのが、試合を生中継する「テレビ局」です。

スポーツのテレビ中継には、当然ですが「放送枠(番組の時間)」があります。

しかし、昔のバレーボールは試合時間がまったく読めませんでした。

実力差があれば1時間でサクッと終わるのに、実力が同じくらいだと、フルセットにもつれ込んで3時間、4時間を超える死闘になることも日常茶飯事。

こうなるとテレビ局は大パニックです。

「この後、夜のゴールデンタイムの番組があるのに、まだ第4セットをやってる……!」

「生中継を延長したら、楽しみにしていた後の番組が潰れて、視聴者から苦情が殺到してしまう!」

逆に、あまりに早く終わりすぎて「放送時間が1時間も余っちゃった、どうしよう……」ということもありました。

テレビ局からすれば、これほど扱いづらいスポーツはありません。次第に「怖くて生中継なんてできないよ」と、メディアから敬遠される危機に瀕してしまったのです。ファンの目に触れる機会が減れば、競技の人気は落ちていく一方。バレーボールは、まさに存亡の危機を迎えていました。

転換点:1999年、スポーツ界を揺るがした「大革命」

「このままでは、バレーボールというスポーツ自体がオワコンになってしまう……」

危機感を抱いた国際バレーボール連盟は、1999年、信じられないほど大胆なルール変更に踏み切りました。それこそが、現在使われている「ラリーポイント制」への完全移行です。

「サーブ権なんて関係ない!ラリーに勝ったら、その場で即1点!」

このルール変更に対し、当時はベテラン選手や伝統を重んじるファンから「バレーボールの良さが失われるのでは?」と心配する声もありました。しかし、蓋を開けてみれば、この改革はバレーボールを劇的に生まれ変わらせる「奇跡の救世主」となったのです。

結果:ダラダラから「一瞬も目が離せないスピードスター」へ

ラリーポイント制になったことで、バレーボールの人気は文字通り「再燃」し、爆発的なファン層を獲得することになりました。人気が上がった理由は、主に3つあります。

① 試合時間が「2時間前後」にきっちり収まる

どんなにラリーが続いても、必ずどちらかに点が入るため、試合時間の予測が立てやすくなりました。「だいたい2時間くらいで決着がつく」という安心感は、テレビ局にとって神風となり、ゴールデンタイムでの生中継が急増。より多くの人の目に留まるきっかけになりました。

② 全てのラリーが「命がけのドラマ」になった

昔のルールでは、レシーブ側のときにミスをしても「サーブ権を失うだけ(相手に点数は入らない)」という心の余裕がどこかにありました。

しかし、今は違います。「ミス=即、相手の点数」です。

サーブミス1つ、レシーブミス1つが命取りになるため、試合開始の1点目から最後のマッチポイントまで、コート上の緊張感は常に100%。観客もダレることなく、一瞬も目が離せないハイスピードな展開に熱狂できるようになりました。

③ 劇的な「ジャイアントキリング(番狂わせ)」が増えた

点数がポンポン入るようになったことで、実力が下のチームでも、勢いに乗れば一気に格上のチームを寄り切ることができるようになりました。スポーツにおいて「何が起こるか分からないハラハラ感」は最高のエンタメです。「もしかしたら勝てるかも!?」という大番狂わせのドラマが増えたことで、観客の熱量はさらに跳ね上がりました。

結び:今のバレーボールを100倍楽しむために

もし、1999年のルール大改革がなかったら、バレーボールはテレビから消え、今のような国民的人気スポーツにはなっていなかったかもしれません。

時代に合わせて、テレビ映えや観客の「観やすさ・興奮」を徹底的に追求し、プライドを捨ててルールをガラリと変えたからこそ、今の私たちはあのスピーディーでエキサイティングな試合を楽しめているのです。

昔のバレーボールを観て「疲れるな」と感じたあなたの直感は、まさにバレーボール界の歴史を動かした核心そのものでした。

次にバレーボールの試合を観るときは、スコアボードがポンポン動くテンポの良さに注目してみてください。「もしこれが昔のルールだったら、今頃まだ0点なんだな……」なんて裏話を思い出しながら観ると、目の前のラリーが何倍もスリリングに、そして面白く見えてくるはずです!

もっとスポーツの歴史を楽しみたい方へ

今回紹介したエピソードはいかがでしたか?

スポーツには、ルールや道具が生まれた背景、時代ごとのドラマ、そして多くの人々の挑戦が詰まっています。歴史を知ることで、試合観戦はもちろん、選手のプレーや戦術の見え方も大きく変わります。

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