突然ですが、みなさんは「スポーツの試合」と聞くと、どんな光景を思い浮かべますか?
「血の滲むような特訓」「1位と2位の残酷な明暗」「限界を超えた最後の死闘」……。そう、スポーツとは本来、たった一つの頂点を目指して全員が敵味方に分かれて戦う、シビアな世界です。
……のはずなんですが。
世界最高峰の舞台であるオリンピックの決勝戦で、あろうことか「ねえ、もう疲れたし、2人で1位ってことにしない?」という、信じられないほど平和な相談で勝負を終わらせてしまった男たちがいます。
今回は、陸上競技の歴史に残りつつ、世界中を「おいおい最高かよ」と爆笑・感動させた、前代未聞の「金メダル山分け事件」をご紹介します。陸上ルールを知らない初心者の方でもクスッと笑える、極上のスポーツ青春ドラマをどうぞ!
登場人物は、大親友コンビの2人
舞台は2021年に開催された東京オリンピック。種目は、人間の限界に挑む「男子走り高跳び」の決勝です。
ムタズ・エサ・バルシム選手(カタール)
世界選手権を連覇している、誰もが認める絶対王者。常に冷静沈着。
ジャンマルコ・タンベリ選手(イタリア)
過去に大怪我を乗り越えてきた不屈の男。感情表現がめちゃくちゃ豊か。
実はこの2人、競技場を離れればプライベートでもお互いの結婚式に出席するほどの大親友。しかし、ここはオリンピックの決勝。いくら仲が良くても、金メダルは地球上にたった一つしかありません(普通は)。
2人はお互いを高め合い、これ以上ないハイレベルな試技を続けます。バーの高さが2m37cmになっても、2人とも1回も失敗せずにクリア。もはや神々の戦いです。
しかし、次なる高さ「2m39cm」に挑んだところで、ついに限界が訪れます。2人とも3回ずつ挑戦したものの、惜しくも失敗してしまったのです。
「泥沼の延長戦」が始まる……はずだった
記録が完全に並んでしまった場合「ジャンプオフ」と呼ばれる延長戦が行われます。
これは、バーの高さを少しずつ下げながら、「先に跳べた方が勝ち(失敗したら負け)」という、サドンデス形式の過酷なルール。張り詰めた緊張感の中、精神力がすり潰される泥沼の死闘が始まる……
はずでした。
あまりの激闘に、2人の体力はもう限界。そこへ、審判が神妙な面持ちで2人のもとに歩み寄ってきました。
審判:「記録が並んだから、これから1対1の延長戦を始めてもらうよ。ルールを説明するとね……」
バルシム:「(ちょっと待って、と審判を遮る)」
ここで、冷静沈着なバルシム選手が、信じられない質問を審判に投げかけます。
「金メダル、2個にしちゃダメ?」
疲れ切ったバルシム選手は、審判の目をまっすぐ見つめてこう言いました。
バルシム:「……ねえ、質問なんだけど。もし僕たちがこれ以上跳ぶのをやめたら、金メダルを2人にしてもらえるの?」
審判:「えっ?……あ、うーん、ルール上は、お互いが『もう跳ばない』と合意すれば、2人とも1位(金メダル)にできるけど……」
審判が「可能だよ」と言い終わるか終わらないかの、その瞬間でした。
タンベリ選手(イタリア)がバルシム選手の顔を見ます。バルシム選手もタンベリ選手の顔を見ます。
2人の脳裏をよぎったのは、きっと同じ言葉。
「じゃあ、もう跳ぶのやめて金メダルもらお!!!」
2人は、オリンピックの決勝という歴史的な舞台で、話し合いによる「金メダルの山分け」を成立させてしまったのです。
タンベリ選手、喜びすぎてバグる
「2人とも金メダル!」と決まった瞬間のリアクションが、このエピソードの最大のハイライトです。
まず、提案者のバルシム選手は、大人の余裕を見せてタンベリ選手とガシッと熱い抱擁を交わします。「やったな、相棒」と言わんばかりの、映画のワンシーンのようなかっこよさです。
一方、それを上回るテンションだったのが、イタリア人のタンベリ選手です。
彼は金メダルが決まった瞬間、「ウオオオオオアアアア!!!」と野獣のような咆哮をあげると、バルシム選手に飛びつき、その後なぜかトラックの地面を激しくゴロゴロと転がり始めました。
まるで魚のようにピチピチと跳ね回った後、顔を真っ赤にして号泣。嬉しさのメーターが振り切れすぎて、人間が狂っていく様子が世界中に生中継されたのです。これにはテレビの前で見ていた世界中の視聴者も、「感動するけど、喜び方がうるさすぎて面白い」と大爆笑となりました。
しかもタンベリ選手、喜びのあまり競技場に落ちていた「自分が昔ギプスをしていたときの破片(願掛けのお守り)」を拾い上げ、カメラに向かって大絶叫。その姿は感動的なヒーローそのものでした。
まとめ:これぞ究極のスポーツマンシップ
スポーツの試合といえば「1人の勝者と、たくさんの敗者」が生まれるのが普通です。しかし、この日は「2人の勝者。幸せなハッピーエンド」が誕生しました。
表彰式では、お互いの首に金メダルをかけ合い、満面の笑みでパシャリ。この微笑ましすぎる光景は、今でも「オリンピック史上、最も美しい瞬間の一つ」として語り継がれています。
もしみなさんも、人生で誰かと激しい競争になり、お互いにヘトヘトになってしまったときは、この2人を思い出してください。
「ねえ、2人で1位ってことにしない?」
この一言が、世界をちょっとだけ平和にするかもしれません(笑)。
もっと陸上を楽しみたいあなたへ!
テキストだけでも十分に面白いこのエピソードですが、タンベリ選手が地面を激しく転がり回る実際の映像は、その100倍笑えて、100倍感動します……!(笑)
「世界最高峰の舞台で、大人がここまで本気で喜ぶ姿」は、見ているだけでこちらまで元気をもらえること間違いなし。世界トップレベルのスポーツや、熱いドラマを大画面で楽しむなら、動画配信サービスが一番の手っ取り早い方法です。
👉wowow
熱いドラマ、感動ストーリー、爆笑映像など何でも見られる
👉amazon prime video
さらにディープな「陸上裏話」が読めるおすすめ本
👉箱根駅伝ノート』/酒井政人
:監督やスカウト担当者がどのように高校生をスカウトし、他校としのぎを削っているのかという「もう一つの戦い」を描いた一冊。ドロドロとしたリアルな裏側が明かされています。
価格:1375円 |
👉漫画全巻ドットコム
人気の陸上漫画『風が強く吹いている』も読める!


コメント